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ボブで描いたアルハンブラ

先程まで首筋に生えた髭を抜いていました。

日記を書く手前で首を手でなぞったらどうもいくつか伸びている髭が目立ちましてね。
もしかしたら朝方に髭を剃る際、首の髭を剃り忘れていたんじゃないかと思いながら先程までピンセットで首筋に生えた髭を抜いていました。

今回はそんな髭にまつわる話をするわけでもなく、さっきシャワーを浴びていた際に思ったことを日記に綴っていこうと思います。

最近の私は頭を洗う際にトニック系のシャンプーを使用しているのですが、これがなかなか気持ちが良いものでして、今日は特段指に力を入れてぐいぐいと洗ったらいつも以上に気持ち良かったのです。
指の腹を使って押し込むように、且つ、痛みを伴わないように丹念に洗ったらいつも以上に気持ちが良かったのです。
トニック系のシャンプーなだけあって、染み込むような気持ち良さがそこにありました。
浸透圧とでも言いますか、じわぁっと吸い込まれる感覚にトムは目を覚ましました。
「いい夢を見た気がする……」
カーテンの隙間から差し込む朝日に目をこすりながら、彼は珍しく目覚まし時計よりも早くに起き上がりました。
ピピピッピピピッ
突如として鳴り響くアラーム音に顔をしかめながらトムは香ばしい香りがするキッチンへと向かいます。
「おはよう、ママ」
そこにママはいません。6人はかけられるであろう大きめのダイニングテーブルの上には出来上がってまだ間もないワンプレートのベーコンエッグと、一通の置き手紙が置かれていました。
――愛するトムへ
ベーコンエッグを作っておきました。食べたら学校に行きなさい。――ママより
トムにはママがいません。この置き手紙も昨晩に自分のためにしたためたものです。
翌朝の自分のために彼がしたためた自我を保つためのただ一つの手紙。彼はわざわざ早起きをしてまで自分のためにベーコンエッグを焼き、丁寧にラップをかけ、一度ベッドルームへと戻ってからわざと寝たふりをしていたのです。
この地域でたった一人の人間となってしまった今、彼は10年間毎日をこうして暮らしています。
毎日したためた手紙に書く文章ももう見当たりません。今ではママの顔は愚か、言葉すらも思い出せないのです。
悪性新生物による緊急避難命令が下った過去も久しく、たまに上空を飛ぶヘリコプターの音が鳴り響く以外、トムの周りは静寂が常となりました。
点けたテレビからは時折思い出したようにニュースに取り上げる以外、笑いが溢れるバラエティばかりが映ります。
食べ終えたワンプレートにこびりついた黄身とギトっとした油。シンクの中に積み上げられた汚れたままの食器の中へとまだ香ばしい香りが残るワンプレート放り投げ、彼は意気揚々と今日も学校へと向かいます。

これまで何度と同じように頭を洗ってきましたが、こうまでも気持ち良いことがあるものかと新鮮な気持ちになりましたね。
元々入浴やシャワーは頭が冴える行為なので好きですが、今回の件でもっと好きになった気がします。
風呂に入るという行為自体には毎度尻込みしてしまいますが、いざ入れば忽ち気持ちが裏返る。日常の中での不思議であると私は思いますね。
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  1. 2021/02/27(土) 02:43:44|
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